はじめてファシリテーターを務めたはやぶさです。
「コミュニティってなんだろう」という問い、そして「良いコミュニティ」を料理や食べ物にたとえてみるというお題を用意してみました。
90分の予定が、終わってみれば2時間越えで、時間は大幅にオーバーしました(とても反省)。
それでも、離脱する人が少なく、多くの人がミュートを外して笑い声や即興のやりとりも飛び交う時間でした。
ここから準備〜当日のチェックアウトまでをフェーズに分けて振り返っていきます!
参加してくれたみなさんが「あの時間の裏で、そんなことを考えていたのか」と感じてもらえたらいいな〜って思ってます。フィードバックよろしくっす!
▼使ったスプレッドシート
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1qIHOhlXTh2RMPoeizrvgwaEnPRP_zGb8JZbX4rn8sNI/edit?usp=sharing
フェーズ0:準備段階
設計にあたって立てた狙いと、検討の末に捨てた案。
●「コミュニティ」についてアクティブラーニングする
先月新メンバーが増え、ちょうど前回の定例会で「そもそもコミュニティってなんぞや」という話が出ていたので、今この問いに向き合うのは有意義だと考えた。あと、純粋に僕が「こういうのやってほしい!」って思ってたのでやりました
●参加者の学びのステップを想定した
今回に限らず、以下のようなステップで「コミュニティ観」って醸成されるのではと思った。
①自分なりの「コミュニティの定義」「いいコミュニティの条件」を持つ
②それが他人とは案外違うと気づく
③だから話すときは都度すり合わせが必要だと気づく。
●問いの構造を「具体→抽象→価値観」で設計した
お題①で具体(関わっているコミュニティ)、
お題②で抽象(コミュニティとは何か)、
お題③で価値観(いいコミュニティとは)、
というように、連続性を持って徐々に深まるように補助線を引いた。
みんなの頭の中に、お題に向かうための材料が自然と集まってくるようにイメージした。
(サッカー指導の時もこんな感じかも)
●活動量と満足感を重視した
話す時間も集中して聞く時間も多いほうが学びも満足感も大きいと思うので、そのために3人組の構成と時間配分を工夫し、スプレッドシートを準備し、「発表時間を取らなくても他グループの情報が手に入り、後から見返せる」議事録スタイルにした。
●イレギュラー(特に遅刻者)への対応を準備した
主にスプレッドシートの用意と、参加してくるタイミングでどう合流させるかのイメージ。
遅れても来てくれる人へのリスペクトとして「気後れさせない」ことを大事にしたかった。
●「ゆるさ」をみせる
「コミュマネ学部ってゆるさがあって良いよね」という感じの価値観が前回共有されたように思ったので、それは踏襲しつつ、きちんと準備するからこそ寄り道や即興ができるっていう「ゆるさ」のデザインを意識した。お題設計や活動の方法はきっちり詰めてOBラインを持っておき、実際の運用でそのラインの中で場に委ねるイメージ。
補足として、捨てた案も記しておきます。
時間があったらやってみたかったけど、これはまた今度やりましょうね〜
●「良いコミュマネ」を題材にする案
「良いコミュマネってこんな人だよね」という言語化をしてみる遊び。
今回みたいに料理にたとえるのもいいし、「占い師のような」「配管工のような」と職業にたとえるのも良いかも。
時間と複雑になりすぎることから、「良いコミュニティ」一本に絞りました。
●ワールドカフェ/OST形式
たくさんの人と意見を交わして考えを深めたり、自分の関心ごとに向かうためにワールドカフェやOSTも検討しましたが、説明の時間が惜しいのと、3人組を固定して関係を深めることを優先し、メインルームでシェアすることに留めました。
フェーズ0の学び:
今回の自分の役割は学びのファシリテーションをすることだったので、何をインプットしてどのようにアウトプットするかを分解すると、設計の解像度が上がる。問いの順番もグループ設計もそこから自然に決まった。捨てる判断も設計のうちで、軸があれば何を捨てるかが見えてくる。
フェーズ1:チェックイン
●お題は「名前と、誰かにおすすめしたい食べ物・食べ方」
序盤、ひとりひとりの発言があっさり終わることで「これでいいの?」という空気が流れた。正直、少し焦った笑
●途中から徐々に盛り上がり始める・チャットが動き出す
普段チャットしなさそうな人も書き込んでくれた印象。「おすすめする」というお題が良かったかも。徐々にみんなが「掴んできた」感触があった。
●静けさには介入せず「耐える」
ここで時間をかけると後半のワークが削られて本末転倒だと判断した。チェックインは 全員が話すが、短く済ませる/最後のお題への伏線というのを重視。だからまだ盛り上がらなくても問題ないと思えた。
だけど内心は焦っていました笑
それでも雰囲気って大事なので意識的に笑顔!(焦っていても!笑)
●終了時点で20時半を過ぎていて、予定より大幅超過
面白い話が出ると膨らむこと、定刻に始まらないこと、遅れて入る人がいたことが要因。
グループでのチェックインにするか迷ったんだよな〜!というところ。
●「もう時間内に終わらない」と開示(笑)
予定通りに進んでないことを開示しました笑
「21時半で抜ける人はいますか?」と確認し、タイムテーブルを組み直した。「延びるなら休憩がほしい」という声が出てくれたのがよかった。いつもできる方法ではないですが、僕はわりと弱みを見せるほうで、例えばプレゼンの冒頭で「緊張しています」と言ってしまうタイプです。完璧に見せようとしないことで場が緩んで「しゃあねえなあ、付き合うよ」という空気が生まれる気がしてます。
フェーズ1の学び:
沈黙やテンションの低さを、すぐ「失敗」と判断しない。その時間に役割があるとわかっていれば耐えられる。そして「うまくいっていない」の開示は、隠すより共有するほうが、場を「みんなのもの」に変える。
フェーズ2:お題①・お題②
●ブレイクアウトルームは「各自で同じ人数になるように入って」
結果的に細かく指定せず委ねる。委ねることで、参加者の側に主体性が生まれる。
(サッカー指導の時もこんな感じですね笑)
●お題①「どんなコミュニティを運営していますか/参加していますか/知っていますか」(3人組、1人1分くらい)
この間、自分はメインルームで待機し、入力に手間取っていないか見ていた。
●お題②「コミュニティってなんだと思う? / どういう時にコミュニティがあると感じる?」(3人組、1人4分くらい)
お題①は議事録を一人が取るだけ、②は議事録を取らない人が「引き出す」役を担うようにした。段階的に能動性を上げる設計。
●途中参加に即興で対応した
お題②に入る瞬間にゆりあさんが話せる状態で戻ってきたのでメインルームで自分と2人組になり①からキャッチアップ。その途中に、みにゃこさんも入ってきたので、こちらは①を飛ばして②から合流してもらった。
その際、メインルームを「ルーム6」として扱った。機転というよりは、ブレイクアウトを巡回せずメインに留まることで、進行とグループワークの両立を狙った(下手に動いて取りこぼすより、シンプルに構えた)。
このタイミングで参加者増えたらこうしようって思っていた(ここは委ねるのではなく、自分が引き受けるところ、という認識があった)
●「配信」機能で経過時間を全体にアナウンスした。
これは効果があったんでしょうか?笑
●各お題の後、全体で拾う時間を取った
①の後は回答を見ながら雑談、②の後はトイレ休憩5分(回答を眺める時間)を挟み、グループごとに印象的だった話を聞いた。計画では時間をたっぷりは取っておらず、長引く要因になったが必要と判断。
途中参加のゆりあさんは今回初参加だったので、雑談しつつ、お題をもとにおしゃべり。みにゃこさんがきたタイミングでも、まずはアイスブレイクを意識しました。アイスブレイクちゃんとやれば、時間迫ってきても追いつける気がしてました。あとみにゃこさんはシート見せて「これを見てもらえれば」でなんとかなる気がしたので、「①を飛ばして②から」という判断もすっとできた。
戻ってきて全体で拾う時間は、「息継ぎ」でした。発散したものを緩いシェアで受け止め、他グループと照らして客観視する。削れば時間は巻けても場は深まらなかったかも。
フェーズ2の学び:
負荷は量ではなく「役割の質」で上げられる(「聞く」を「引き出す」に変える)。 途中参加者をちゃんと拾うのはコミュマネの仕事と思って準備するのが吉(結果的にメンバーで拾えるなら、それは最高)。その際、参加者がどんな人かによって、関わり方は変えてよし。
フェーズ3:お題③〜発表タイム
●「あなたの思う良いコミュニティって?」/ 「どういう時に良いコミュニティになったと思う? 」をインタビューして、食べ物に喩えよう!
「良いコミュニティってどんなもの?」を一人ずつ話し、残りの2人とAIが「料理長」として料理(メニュー)に翻訳・考案する
●ブレイクアウトルームとメインルームの往復構造にした
構造の話だけど、一人が話す→メインに戻って考案タイム→発表はまだせず次の人へ、を3人分繰り返し発表は最後にまとめた。非効率にも見えるが、「一人の話に集中し、話し終わった後にその人へ想いを馳せる時間」を優先した。
各人の番は「話す→考案する」で止め、都度発表はしなかったのは、 都度発表すると時間を食い、注意も散漫になると思い、活動を絞って局面をはっきりさせた。
●発表タイムは不定形に、なんとなく始まった
なし崩しに発表(シート記入)が始まっても止めなかった。「まだ書かないで」と言うのは野暮だと思った。どうせ1〜2分後には発表タイムになるし、今回はただシートに書くだけ。もう動き出しているのを止めるのは誰のためにもならないし。
一人ずつ「こうなりました」と発表する形ではなく、みんながメニューを読んで楽しんだり、面白いものをざっくばらんに話したり、「こう言ってもらえたの、しっくりくる」という声が聞こえた。
●「食材の説明」欄が自然に生まれた
がくちょが「この料理になった前段階の情報を書く欄があってもいい?」と言い出し、気づけば誰かが「食材」と言い出していた。実はこの欄、準備段階で「作ろうかな」と思って、あえて作らずにいたもの。みんなが勝手に作り出したら最高だなと思っていたら、本当に起きたのでハッピー。
●メニューが出揃うと、似たものが多いことにみんなが気づいた
「鍋」「発酵食品」「ピザ」「熱いもの」や持ち寄りパーティー的な場が比較的多く並び、そこから「いいコミュニティの条件って抽象化できるんじゃないか」という気づきが自然に立ち上がった。個別を味わったあとに共通項が浮かぶ。この展開は想定していたが、実際に起こると手応えがあった。
往復構造が「忙しい」と「丁寧」のどちらに感じられたかは、正直わからん。機能していた感触はありますが、ここはみんなに聞いてみたいところです。
メニューに共通性がある気づいたあの瞬間は、内心「来た」と思っていました。バラバラでも面白いし、似ていれば「近いものを見ているね」となって面白い。どちらでも学びになると踏んでいたので、実際に「似てるね」が場から出てきたのは、仕込んだ種が芽を出したようでうれしかった。
「食材」という言葉が参加者の側から自然に出たのは、「料理長」「メニュー」という世界観を用意しておいたからだと思います。指示したのではなく、土壌を整えたら言葉が芽吹いた。
このフェーズに十分な時間をかけられなかったのは、正直悔しい。一人7分ほしかったところを4分に短縮しました。「面白いな」という声は聞こえたものの、じっくりやればもっと深まったはず、という心残りがあります。ただ、前半を削ればよかったとは思いません。前半の負荷設計があったから4分でも集中できた。
フェーズ3の学び:
個別を味わってから抽象化する、という順番が学びを深める(先に一般論を出していたら「みんな似てるね」は発見にならなかった)。世界観を用意すると参加者の語彙が変わる(指示より土壌)。段取りより、生きている場を優先する。そして終盤の質は前半の積み上げで決まる。
フェーズ4:チェックアウト
●もらった感想
コミュニティの捉え方に気づいた/自分の思考の癖に気づいた/頭を使って面白かった/ワークの構成がよかった。
●しんちゃとひややっこさんが「お題の順番がよかった」と言ってくれた
「具体→抽象→価値観」という設計に気づいてもらえた。
●感想の内容以上に、場の雰囲気が印象に残った
誰かの発言に複数の人が自然に反応し、笑い声があり、興奮とリラックスが同居していた感じ。
終わり際の「次回のファシリ決め」も和やかだった。
「お題の順番がよかった」と言語化してくれた人がいたのは、設計の意図が体験を通じて届いた証拠で、うれしかったです。加えて僕がいちばん大事に感じたのは評価の言葉よりも場の温度のほうでした。長くなったのに、みんな楽しそうにそこにいてくれた感があった。
フェーズ4の学び:
「良い場」の指標を自分の中に持っておく。評価の言葉(成果)も大事だが、自分にとっての指標は今回のこの場に生まれた関係性の質だった。この軸があると、ぶれずに場を見られる。
全体の振り返り
お題と環境の設計、委ねられる部分も設計して、偶然性も楽しむことで、コミュニティの雰囲気がよくなるというのをこの時間の中で小さく実践できたかなと思っています。
もうひとつ、これは振り返ってから気づいたことなのですが——今回の進め方には、どうやらサッカーコーチ的なところがあったようです。課題解決の材料を参加者の頭の中に入れながら(辞書を作りながら)お題の複雑さをを少しずつ上げる、グループ分けを参加者に委ねる、4分という制約を作って集中が生まれる。最後のはがくちょから「制約があってエコロジカルアプローチみたいだった。サッカーコーチっぽい」と言ってもらいました。そう考えると、このスタイルってたしかに普段の現場と地続きだなと感じました。
(他にも「ここ、サッカーコーチっぽいね」と感じた動きがあれば、ぜひ教えてください。)
反省と、次にやること
ファシリのスキルとして、「想定時間に終わらせる」という要素は足りませんでした。これ、僕はかなり重要だと思っていて、ちゃーんと反省しております(重要だと思ってるのにこれかよ、という感じですが、今回は多少みんなに甘えたのと、とはいえ、この内容をやり切ることのほうが優先度が高いと判断しました)。
原因は当日の進行よりも、そもそもこの内容を90分でやるには、最初から時間が足りなかった、というところだと思います。
チェックインをして、対話やワークで学びを生むには2時間はいる、というのが今回得た具体的な感触です。
※具体的にいうと、
・「開始時間」には始まらない(笑)
・全員でチェックインすると30分はいく(でも楽しいし、これはこれで定例会として必要な気もする)
・チェックイン中に人が増えるのは、必ず起きると思っていい
「ゆるさ」も大事にしたいので、「よりスムーズに進行すること」よりも「内容に合った時間を最初から設定する」ことが大事。目的が明確なら、実施時間を伸ばして告知してもよかったなって思う。(今回は試しに慣習的フォーマットに乗ってみようと思っていじらなかったけど)「定例会は90分」って固定せず、目的に応じて時間を設計して良いなって思います。もしくはそもそも二部制にするとか。
これは今後の定例会づくりの検討事項(申し送り)ですね。
その他、次に持ち越したいこと
・負荷の段階設計(「聞く→引き出す→2人で同時に」)は他のワークにも応用する。
・インプット/アウトプットの積み上げがあるワークでは、途中参加への備えとして「記録が残る仕組み」と「合流の窓口」をセットで用意する。
・「いつ手放すか」(場の温まり具合を読む感覚)の精度を、経験を重ねて上げる。
・捨てた案(「良いコミュマネ」を題材にする切り口)は、別の回の種にする。
みんなに聞いてみたいこと
今回の振り返りを通じて、気になっている「参加者の体感」をぜひ教えてください。
・チェックインの盛り上がり方は、どう感じましたか? 最初の静けさ、途中からチャットが動き出した感覚。
・配信機能でのアナウンスは、意味あった?笑
・お題③の往復構造(話す→戻る→考案)は、どう感じました?(忙しかった?)
・「ここ、サッカーコーチっぽいな」って感じた動きはありましたか?笑
・そのほか、この振り返りのフィードバックとして「ここはこうだったよ」「こう感じた」があれば、なんでも。
参加してくれたみなさん、ありがとうございました!
初めてのファシリで時間は大幅にオーバーし、反省も残りましたが、
コミュニティについて考える時間そのものが、ひとつの場として温かくなっていく感覚がありました。
聞いてみたいことへの答えも、楽しみにしています。




